vol. 6 ぺネロぺの機(はた)

「フェルナンド・ミナミです、初めまして」
「サエコ・ノガミです。お逢いできて光栄ですわ」


そつのない優雅な物腰、見る者を虜にするような笑顔、そして流暢な英語。
槇村の語学力がどれだけのものであったか、私は知らなかった。
大抵の場合、そういうときは私のほうが通訳を買って出ていたから。

「Excuse me」

そう言って彼はジャケットの胸ポケットから錠剤のシートを取り出すと、数錠を手にとってシャンパンで流し込んだ。
そのジャケットも、私の知る槇村のよれよれの背広とはまったく正反対の
仕立てのいいものをぴんと胸を張って着こなしている。

「確か、コロンビアのご出身だとか」
「ええ、コーヒーとコカインとFARCの国ですよ」


会心のジョークだ、というように口元がほころぶ。
聞きなれた声で、聞きなれない口調の異国の言葉を話すこのフェルナンド・ミナミという男を
それでも私は槇村であると確信してしまった。
理性は躍起になって否定している。表情ひとつ、しぐさ一つとってもそれは在りし日の彼とは違うものだ。
私の知っている槇村はもっと物静かで、言葉少なで、それゆえ彼の漏らす一言一句が価値あるものとして
聞く者の胸に染みていった。決して目の前の男のように言葉を装飾に使わなかった。
でも感情が、恋心が彼は槇村だと叫んでいた。

似たようなことがあった。彼と瓜二つの見合い相手。
でも似ているのは外見だけ、やはり彼も雄弁で、垢抜けていて、だからこそ槇村じゃないと納得できたのに。
しかしこのフェルナンドという男もまたそうなのに、心の叫びは抑えられなかった。

「――私の顔に何か?」
「ええ。素敵な目とそれに似合った眼鏡が」


だけれど、彼の目は私を観ていなかった。
見えているのは私の姿かたちだけ、彼が槇村なら私の気持ちに気づかないはずがない。
なのに、まったく見知らぬ人を見るように彼は私を見ていた。いや、彼の眼は私を値踏みしていた。
自分の敵なのか、それとも利用できる味方なのか。穏やかな笑みの奥には冷徹な観察眼が見て取れた。
それは槇村の眼じゃない。むしろ撩やミックのような、裏の世界に身を置く者の眼。
一体彼は槇村なのか、そうじゃないのか。眩暈がする。

「おや、私から彼女を紹介しようと思っていたのに」

そう言ってゴンザレスが近づいてきた。

「今度本国からわが社の上級副社長に招かれたセニョール・フェルナンド・ミナミだ。
こちらセニョーラ・ノガミ、東新宿署の署長をしてらっしゃるそうだ」
「警察署の・・・署長?」


フェルナンドの顔色が変わる。

「そしてこちらはセニョール・ミック・エンジェル、ウィークリーニューズ誌の記者だそうだ」
「Mucho gusto.(はじめまして)」
と言ってミックは右手を差し出す。

「それでは、また近々お会いすることがあるかもしれませんね」

フェルナンドはそう言い残して、ゴンザレスと共にその場を後にした。

 

 

「――署長、野上署長!」

そう呼ばれてはっと顔を上げた。
こんなことは学生以来、いや、学生のときだって授業中に上の空になることなんてなかったのに。

「会議、終わりましたよ」
「えっ、ああ、そうね」

ここは本庁の会議室、定例の署長会議があったのだ。もっともその内容など覚えていない。

あれからずっとだ、私が槇村と――フェルナンド・ミナミと会ってから。気がつけば彼のことばかり考えてしまう。
あの日、私は自分の中で決着をつけるために、槇村を諦めるための区切りをつけるために彼に逢いに行ったのに
皮肉にも私の心は彼に捕らわれてしまった。
傍から見ればまるで恋患いだが、そんなロマンティックなものじゃない。
他の男に嫁がなければならないというのに――。

「野上署長のところは警視庁の中でも最前線ですから、さぞかしお疲れでしょう」

と誰もいなくなった会議室で後片付けに励む女性警官が言う。実のところは最前線署“だから”助かっているのだ。
毎日管内でひっきりなしに事件が起きる。だから現場はいちいち上の判断を仰がない。
判断を求めるとしたら大規模な抗争か、もしくはテロか、新宿を揺るがす大事件が起きればの話だ。
眠らない街・新宿を震撼させるのは並大抵のことではない。
だからこそ私は結論の出ない物思いに現を抜かしていられるのだ。

この縁談を蹴って槇村のもとに走ろうか・・・それはかなり非現実的な話だ。
彼は父が勝手に押しつけてきた今までの見合い相手とは違う、縁談を断れば自分自身の地位すら危うい。
それに、槇村のもとに押しかけていっても、今の彼が私を受け入れてくれるだろうか――
彼が私に向ける眼差しは、他人に向けるそれだった。まるで私のことなど忘れてしまったかのような――。
だったら、槇村を諦めて朝倉と結婚した方が幸せなのは目に見えている。なのに・・・。

「おや、冴子さんじゃないですか」

私の目の前に、現実が現れた。

「いや、ここでは野上さん、ですね」

朝倉は決して悪い人ではない。いや、これ以上の人など望むべくもないだろう。
私の過去も総て受け入れてくれる人などそうそういるわけではない。
落ち着いた、上品な物腰は警察官というイメージからは程遠い。
だが、その目の奥にはややもすれば法すら踏み越えてしまいそうな正義感が潜んでいる。
そこはかとなく漂う同類の匂い。
そして自信にあふれる態度からは選ばれた者だけが持つ威厳がにじみ出ていた。

「珍しく制服なんて着ているから思わず見入ってしまいましたよ」

彼の穏やかな笑顔は見るものの心をほぐしてしまう。
初対面のときもそうだった。最初から断るつもりでいた私すら、いつの間にか彼に惹きつけられていたのだから。

「そういえば南米系の麻薬組織『シンセミーリャ』が日本に本格的な進出を企てているらしい」

ふっとフェルナンドの顔が浮かぶ。そうだ、私と彼とは敵同士なのだ。

「警察庁の方でも黙っているわけにはいかないというわけで、近々対策本部を立ち上げるつもりだそうです。
それに、昨年までICPOで麻薬組織を追ってたからと僕に白羽の矢が刺さってしまいましてね」

次の瞬間、彼の表情は紛れもなく警察官のもの――警察官僚ではなく――だった。

「野上警視正にもぜひともオブザーバーとして参加していただきたい。
なんといってもあなたはあのユニオン・テオーペを壊滅させた立役者なんだから」

そう言われてこっちも表情が引き締まる。
私は彼に必要とされているのだ。そう言われて晴れがましく思わないものはいないだろう、警察官として、そして女として。
だが朝倉の表情がふっと和らいだ。

「ところで先週は――」
「ごめんなさいね。約束――」
「ああ、いえ、いいんです。妹さんとの約束だったらそっちの方を優先してくれて」

そう、私は麗香と食事に行くと嘘をついて槇村に逢いに行ったのだ。
もちろん妹には事情を説明して上で片棒を担がせたのだが。

「僕はあなたのそういうところが好きなんですよ」
「そんな――こういうところで言うことじゃないでしょう?」
「ええ、そうですね。じゃあ立ち話もなんですから手短に」

そう言うと再び彼の口元が引き締まった。

「本当は先週、一世一代の決意であなたに逢いに行くつもりだったんですよ」

来た・・・。いつかこの瞬間が来ると判っていた。
YesかNoかはっきりさせなければならない。いつまでも彼の優しさに甘えるわけにはいかないのだから。

「今日、とは言いません。いつでも都合のいい日に、決心がつきましたら」
「ええ、判ったわ。ではまた後で連絡しますわ」

朝倉に結婚を申し込まれる。選択肢はたった一つしかない。
しかし、今の私にはそれを選ぶことができるだろうか――。

 

 

署に戻って早々、署長付きの秘書が声をかけてきた。

「署長、お客様がお待ちなんですが――」
「お客様?」

間抜けにもオウム返しに聞き返した。

「ええ、ずっと署長室の方でお待ちになってます。午前中から」
「午前中から?」

時計に目をやる。もう3時になる。今までただひたすら私の帰りを待っていたというのか。
その客について心当たりが浮かんでは消えていく。そもそも私の友人は皆ここまで乗り込んでは来やしないだろう。
ドアを開ければ彼ら以上に思いもかけない人物にお目にかかった。
その彼はもう冷めてしまったであろうコーヒーをひとくち口にするとこう言った。

「Buenas tardes, Senora」
「Fernando?」

槇村?と声をかけたくなるのを必死でこらえた。
間が悪い、というのはこういうことだ。今一番会いたくない、そして会ってはならない人物に会ってしまったのだから。

「それにしても大胆ね。わざわざ警察の署長室に上がり込むなんて」
「単なるビジネスマンが警察署の署長に会いに行くのがそんなに勇気のいることですか?」


そう軽妙に切り返す。そしてやっと、槇村ではない、と理性が認識する。

「で、何の用なんですか?わざわざ私に直接会いに来るなんて」
「あなたしか頼るべき人がいないんです」

と彼は一枚の写真を手渡した。

赤みを帯びた髪は肩まで伸びて、大きな瞳は彼女を幼く見せる。
年の頃は20歳そこそこか、もしくは10代かもしれない。
そして私の眼を引いたのは、写真からもありありと立ち表れる彼女の雰囲気だ。
人種や顔立ちは違えど、その雰囲気は香さんそっくりだった。

「ミランダ・マリノ、私の秘書をしています。
いや、シンセミーリャに囚われていると言っていい、彼女の兄と一緒に。
彼女は私の傍で幹部たちの監視を受け、兄の方は南米でシンセミーリャの私兵として戦闘に参加しています。
そして、もし片方が組織を抜け出そうとすれば、もう片方の命が危険にさらされるのです」


彼の眼は妹を思う槇村のものと同じだった。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。
彼と香さんの間には、血はつながっていなくても兄妹という一線が引かれていた。
しかし彼――フェルナンドとミランダはあくまで他人同士、
その感情が『妹のようなもの』から一歩踏み出そうと、それを妨げるものはない。

「セニョーラ・サエコ、ぜひとも彼女を救い出す手助けをしていただきたいのです」

彼の目が真っ直ぐに私を見据える。
槇村がそんな眼をしたとき、決まって彼は私に優しい眼差しをくれた。まるで「悪いね」と眼で言っているかのように。
しかしフェルナンドの眼は私に助けを乞う眼でしかなかった。私の内心など見えていなかった。

――ああ、彼はやはり私のことなど忘れてしまったのだ。

この7年の間、何があったのか判らない。しかし何らかの理由で記憶を失ってしまった、そうとしか思えなかった。
記憶喪失ならもしかしたらいつか思い出すかもしれない。しかし私にはそれを待つ時間はもうなかった。

「判りました。しかし、わざわざ警察の人間である私に頼んだというのですから
それなりのバーターを求められてもいいんですね?」


できるだけビジネスライクに、冷酷に言う。

「ええ、彼女のためなら組織を裏切るのも覚悟の上です」

その言葉、その眼がこれ以上はないほど私を傷つけたのを、彼は気づいていないようだった。

 

 

ホテルの部屋に戻ってくるなりソファに崩れ落ちる。
そしてシルフをシートの半分手のひらに落とすと――今までの最高記録だ――ブランデーで一気に飲み込む。
向精神薬はアルコールと一緒に摂取してはならない、『薬屋』としてそれくらいのことは判っている。
しかしもはや水では効かなかった。
今まで気が張っていたのだろう。しかし帰ってきて気が緩んだのか、それまで感じなかった息苦しさが噴き出してきた。

野上冴子、ノガミ――サエコ。
彼女が私に中でくすぶっている『サエコ』なのかは判らない。
しかし彼女は、一時的な協力関係を結んだとはいえ所詮警察側の人間、我々の敵だ。
わたしの進むべき道と交わるべき点はない、今までも、そしてこれからも。

「セニョール!」

ミランダが慌てた顔をして飛びついてきた。
頭は多少朦朧としているが、構うものか。それでこの不快さが消えるのなら。

「そんな飲み方したら死んでしまいます!」
「なあミランダ」
「なんですか?」
「なんで君は私にそんなに優しくしてくれるんだ?私は君の看守だ。君が逃げ出さないように監視しているんだ」
「いいえ、セニョール・ミナミはわたしのボスです、仕えるべき大切なお方です」

ふっ、と自嘲にも似た笑みがこぼれる。

「ストックホルム・シンドロームだな」

ストックホルム症候群――人質が長い拘禁生活のうちに監視役の犯人と心を通い合わせてしまう。
1973年、スウェーデンのストックホルムで起きた銀行強盗事件の際に人質に見られた精神状態からその名がつく。
被害者の中には犯人と結婚した者もいたらしい。

「そうかもしれません」

そう言って彼女は笑った。
その笑顔はこの世界に、光の差さぬ暗闇の世界に身を置く者に似つかわしいものではなかった。
彼女は本来光さす世界の住人だ。
その彼女を無理やり暗闇の中に閉じ込めている、私もそれに加担しているというのに――
しかしそれももうすぐ終わりだ。
彼女を表の世界に戻す、そのためにはこの命など安いものだ。

 

 

「マスタァ、マルガリータおかわりぃ〜」
「おい冴子、飲みすぎだぞ」

いきなり彼女に呼び出され、嫌な顔する香を尻目に言われた店に来て2時間後。
すっかり冴子は出来上がっていた。
普段だったら正反対だ。冴子と飲みにいって酒の上の失敗を重ねたことは数知れず、
その度に香のハンマーで伸されてきた。
こっちだってアルコールには自信がある、飲み比べだったら誰にも負けないつもりだ。
しかしその俺が唯一敵わないのが冴子、のはずだった。
その冴子が、いくら普段よりペースが早いとはいえ、カウンターの上にぐったり寝そべっているのだ。

「知ってるのか、マルガリータの由来」
「知ってるわよそれくらい。流れ弾に当たって死んだ恋人の名前でしょ?」
「だったら――」

縁起でもない。「槇村は生きている」と言い切ったのはどこのどいつだったんだ。

「槇村なら死んだわよ。わたしが殺してやったの、ナイフでメッタ刺しにして」
「冴子!」
「もちろん心の中でね。腐っても『警視庁の女豹』、そこまで落ちぶれちゃあいないわよ」

そう言って出されたグラスを一気にあおる。

「ねぇ撩、あなたにとってわたしって何なの?」

そう熱を帯びた声、潤んだ眼で言われてはなけなしの節操も吹っ飛びそうだ。

「『かつて愛した女』?親友の恋人?それともただの“共犯者”?」

俺たちは――俺と冴子は香が邪推するような関係ではない。
冴子に手を出したことなど一度もなかった、あいつがいたときも、そして俺たちの前からいなくなってからも。
もしそれでもそこはかとなく秘密の匂いめいたものが漂っているのなら
それは俺たちが秘密を共有していたからだろう。槇村は死んではいないと。

「どうしたぁ?もしかしたらようやくツケを帰してくれるつもりになったか」

そう言うのも合意の上のゲーム、子犬がふざけ半分で兄弟たちに噛みつくようなもの。
誰も本気だとは思わないし本気で噛みついてくることもない。しかし今夜は様子が違っていた。

「――ペネロペの話って知ってるかしら?」
「ああ、オデュッセウスのかみさんだろ?20年もの間旦那の帰りを待ち続けてた」
「そうよ。舅の経帷子を織り終えたら再婚すると言いながら、夜の間に昼間織ったものを解き続けてた――
わたしにはできない。もう槇村を待てないの」
「冴子――まさかあの朝倉ってやつにプロポーズ――」

彼女は静かに首を振る。しかし、

「でも時間の問題よ」
「お前らしくもないな。いくらあいつが警察のエリートで断れない相手だからって、それで槇村を忘れてしまえるのか?」
「彼はもうわたしのことなど忘れてるわ」
「――逢ったのか?槇村に!」
「それでも香さんのことは覚えてるみたいなのよ。だって彼女そっくりの娘を秘書にしてるらしいんだもの」

そう言って空のグラスを見つめる冴子の目には涙が光っていた。
いつも気丈な彼女がおそらく槇村にしか見せなかったであろう弱さ。
このまま何も言わず冴子を抱きしめたくなるのを、胸の中の槇村が、そして香が必死に押しとどめようとしていた。


 

夜が明けても撩は帰ってこなかった。
そんなことは今までザラだったけど、何となく嫌な予感がした。
この間からアニキが生きていると知らされたり、冴子さんが見合い相手と一緒にいるところを見てしまったり、と
自分たちが目に見えない大きな渦に流されているような気がしているから。
自分たちの意思とは関係なく、外から無理やりに変化させられているような、そんな気がしているからだ。
そう考えると自分もいつの間にか勘が鋭くなったもんだと思う。
7年前なんて、いつもと同じ誕生日になると信じて疑わなかったのに。

撩を探しに出ると――いた。最初に見当をつけたところで素直に眠り込んでいた。

「・・・まったくもう!どうして酔っ払うといつもここで眠りこけてるのよ?」

よかった、無事だった――なのに口から出てしまうのはいつもの憎まれ口。

「ほら、起きて!4月になるけど夜はまだ寒いんだから」

ふにゃあ、と反応がない。
意識のない大男を担ぎ上げるのはホネだ、100tハンマーのようには上手くいかない。
そのとき――

「ちょっ・・・撩っ!?」

いきなり、抱きつかれた・・・。
そりゃ、悪い気はしない。曲がりなりにも惚れた男だ。
でもこいつはいつもこうやって不意打ちなのだ。いつかなんて朝気がついたらタンクトップの中に顔を埋めてたのだから。

「好きだぜぇ・・・」
「えっ?」

そう言うといきなり・・・口唇を押しつけてきた。
ややかさついた、撩の口唇の感触。
きついくらいのアルコールの匂いと――酔っ払ってるんだからしょうがない――そしていつもの煙草の匂い。
それを感じているのは間違いなくあたしの口唇だった。
まさか、夢じゃないよね?
あのとき――海原の船の上でガラス越しに感じたぬくもりを、今直接受けているなんて・・・。

――だめだよ、キスするときは・・・目を閉じるのが礼儀ってもんだ・・・

ふっとあの夜の撩の言葉が甦る。あ、あたし・・・目を開けたままだ。
それは一瞬だったのか、それとも永遠とも思えるほどの時間だったのか、あたしには判らない。

「・・・冴子ぉ――」

へっ!?・・・一瞬、体中の力が抜けた。だが次の瞬間、めらめらと怒りの炎が燃えたぎった。

「誰とキスしてんだ誰とっ!!」
と破廉恥な酔っ払いの脳天めがけて100tハンマーを振り下ろす。これで酔いが覚めただろう。

――これが、ファーストキスだったんだぞ。
「バカ・・・」

嬉しかった、そのぬくもりが、感触が、総てが。
哀しかった、あたしは所詮身代わりだってことが。


うちの撩と冴子は『そういう関係』ではありません。
だって槇村は生きてるんだもん、親友の彼女に手が出せるわけないじゃない。
原作じゃどうか知りませんが・・・。

気障な槇村は007な田中秀幸氏を想像していただければ幸いです。

Former/Next

City Hunter