Case2 サイバーポリスは眠らない

        ―Does not sleep the Cyber-police/polis―

4月、新人がやって来るのは特殊事態対策室ばかりではない。

その近く、第1機動隊内に併設されている対ロボット特殊装甲部隊

通称CRSAT(クルサット)にもまた新たな顔ぶれが今日やって来た。

 

ここ、CRSATはその名の通りロボット、特に近年普及の著しい自律型ヒューマノイド

通称ヒューマンメイトによる犯罪、暴走に対抗するため設立された、警視庁の特殊部隊である。

ここの隊員はみなSAT以上の選び抜かれた精鋭たちであり

その屈強な肉体にタイタナイトと呼ばれるパワードスーツを包む。

彼らはまさに未来警察の急先鋒として近年のテクノロジーの急速な発展に伴う警察装備の大刷新の先頭を走り

それにふさわしいだけのプライドを胸に日々人間の力では太刀打ちできない

ロボットたちを相手に戦っているのだ。

 

そんなフィジカル・エリートの集団の中に、彼らとは似ても似つかぬ青年が送り込まれた。

背はどちらかといえば高い方、と言うよりひょろ長い、という印象が強い。

厳密に55に分けられた前髪からは、ややオブセッシヴ(強迫的)な几帳面さがうかがえる。

これで眼鏡をかければ、カリカチュアされたエリート像にほかならない。

が、視力回復手術が30年前のコンタクト並み、いや、それ以上に普及した“現代”においては

眼鏡というものもただの視力矯正用ではなく、何らかのポリシーを表す

または単なるファッション上のツールでしかない。

 

内勤の制服に身を包んだその若きエリートは

選良たる矜持と新たな世界への不安を胸に抱きながら、新天地の門を叩いた。

 

「入りなさい」

 

承諾の声を受け、彼はドアを開ける。

 

4月より対ロボット特殊装甲部隊に配属になりました有働学警視であります!」

 

制帽を脇にしゃちほこばった敬礼で自己紹介した。

 

「そんなに固くならないで、休んでいいわ」

 

それまで有働は、あまりの緊張に目の前の人物、今日からの上司など見てはいなかった

しかし、その声で彼はその人が女性、それも妙齢だと気付いた。

 

美しい。彼はそう思った。

『綺麗』でなく『美人』でなく『美しい』という形容詞が浮かんだのは

その美が彼にとって、ただの女性の美ではなくもはや芸術的次元に高められていたことを物語っていた。

 

長い黒髪はわずかな緩みもなく、後ろで小さなシニョンにまとめられていた。

切れ長の涼やかな眼、雪のように白い肌、そして細面の顔立ちが鋭さに似た印象を与えた。

まさに「小股の切れ上がったような」という形容詞がよく似合う。

しかし、その視線に値踏みをするような、刃のような冷たさがあったのを有頂天の彼は気付かなかった。

 

CRSATの管理官の、穂積要(ほづみ・かなめ)警視正です。よろしく」

 

そう言うと彼女は立ち上がって握手を求めた。

機動隊の紺の制服を未来仕様にしたかのようなCRSATのユニフォーム。

無論、男性用と同じだが、それがかえって彼女の凛々しさ、

そして女性としての美しさを存分に引き出していた。

 

でかい。次の瞬間有働はそう思った。

172cmの彼とほとんど変わらない、いや、彼女の方がほんの少し高いだろうか。

 

(いや、でも)

 

彼はこう思いなおした、

 

(彼女の凛とした美しさには、このくらいの背丈があって当然だ)

 

「それで、自分は――」

 

まだ半分上の空で尋ねる。こんなに美しい方に自分は手を握ってもらっているのだ、と。

 

「そうね、私の直属で動いてもらうことになると思うけど、まずは隊内を見て回ってらっしゃい。

分からないことには動けないから」

「はい、了解しましたっ!」

 

管理官の命令ならばということで、彼は再びしゃちほこばった敬礼で受けると、

その場で回れ右をして席を辞した。右手と右足が同時に出ていることに気が付かずに。

 

ばたむ。

 

そう言われても、ここのことはなにぶん来たばかりなので、右も左も分からない。

どうするべきか思案にくれているとき、やって来たのは一人の女性警察官だった。

 

「あれ、どうかしましたかぁ?」

 

廊下を行き交うほとんどがCRSATのユニフォームという中、

自分と同じく一般の制服、それも管理官以外ではほとんど唯一の女性だ。

ショートボブの彼女は、警視庁のエリート部隊よりも

むしろ所轄の交通課でミニパトに乗ってるほうが似合いそうだ。

 

しかし彼女は、有働の胸の階級章に気付くと

何か珍しいものでも見るようにじろじろと上から下まで見回した。

 

「ふーん、あなたですか。ウチに配属になったキャリアというのは」

 

そうは言いながらも、キャリアに対する尊敬とか畏怖といったものは彼女の口調からは聞き取れない。

生意気な女だ、ノンキャリのくせに。いくら自分たちが選ばれしエリートだとしても

キャリアとノンキャリアのけじめというものを付けないのか、

見れば階級は巡査部長ではないか、まったくCRSATは、

と自分がエリートであることを忘れて彼らのエリート意識に憤慨していた。

 

「ウチがキャリア送ってもらえるほど評価されてるっていうのはありがたいんだけど、

頭でっかちを送ってよこされても困るのよねぇ。ま、足引っ張らない程度に頑張ってください」

 

よく見れば彼女も、管理官には相当劣るがなかなかの美人だ。だからこそ彼女の言葉は辛辣に響く。

 

「あ、あたしは第2小隊オペレーターの宇賀神ありさです。

たぶんそんなに一緒にならないと思いますけどよろしくお願いしますね」

 

そう言って宇賀神巡査部長が右手を差し出す。

有働は嫌々ながら、さっき穂積管理官に握ってもらえた右手を差し出した。

 

「これから庭で訓練なんですけど、見ます?」

 

彼女に案内されて外に出た。そこではタイタナイトが土煙を上げて模擬戦を行っていた。

全長およそ2.6m、フォルムそのものが頑強な巨人を思わせた。

もともとロボットアニメにはさほど興味はない、

むしろそのようなものに熱狂する同年代を尻目にせっせと勉学に励んでいた有働にとっても

それは心踊らされる光景だった。

 

「ちょっと、そんなに近づいちゃ危ないですよ」

 

ありさの制止も聞かず、もっと近くで見たいとばかりにふらふらと模擬戦に近づいていく。

次の瞬間、

ドサッ

彼の鼻先に一体のタイタナイトが倒れこんだ。

 

「そこ、部外者っ!潰されたいのか!?

 

審判を務めていたCRSATユニフォームの男が台から飛び降りた。

いかにも機動隊からの叩き上げといった屈強そうな体躯、それが歩くたび人間らしからぬ音を立てていた。

一方、目の前の危機に呆然とする有働。その間にありさが割って入ろうとした。

 

「隊長、こちらは今日からCRSATに配属された有働警視です。模擬戦をご覧になりたいと言い――」

「そうか」

とだけ隊長、と呼ばれた男は答えた。そして右手を差し出す。

 

CRSAT隊長を務めます、但馬俊郎警視です」

 

出された手を握り返した瞬間、たとえ男性と女性の違いがあるとはいえ、

その感触が前二人と違うのに気付いた。

 

「義手、ですか」

 

そういえば、叩き上げだというのに警視にしてはやや若い。

 

「ええ、時代遅れの金属製ですがね」

と言うと但馬は手袋を取り、右手を握ってみせた。

サイバネーション技術が使われた随意義肢は神経系の電気刺激を受け取り

元の手と変わらぬ動きを行うことができる。

しかし、今は生体材料による一見義肢とは分からないものが主流でありES細胞からの再生も可能だ。

しかしなぜ彼は金属製の、いかにもロボットじみた義手を使い続けているのだろうか。

但馬は振り返ると、審判台へと戻っていった。ギシギシとタイタナイトの駆動音のような音を立てながら。

どうやら足も義足らしい。

 

「宇賀神、有働警視にタイタナイトの説明をしてやれ」

 

但馬隊長にそういわれると、ありさは有働を庭の片隅にある建物へと案内した。

 

 

一方、東京・湯島の程近く、とあるマンションの前に一人の若者が立っていた。

ややくせのある赤茶けた髪は毛先のところで外巻き気味にカールしていた。

その下にくりくりっとした、あえて言うなれば小動物に似た感じの目がのぞく。

顔立ちだけならば高校生、いや、中学生といってもしっくりくるほどだ。

スタジアムジャンパーに、ジーンズの裾はブーツの中にしっかりしまいこまれている。

背中には使い込まれた様子のメッセンジャーバッグを、本職のようにベルトを締めて斜めがけしている。

そして手には指なしの皮手袋、傍らには大型スクーター。

4月とはいえ、今朝は冷える。彼はジャンパーの袖からちぢこめた手を出すと、ふぅっと息を吹きかけた。

 

「軍手持ってくればよかったかな」

 

そう言うとマンションを見上げる。

 

そのとき、正面玄関からセーラー服姿の少女が現れた。

セーラー服といっても変則デザインのワンピースタイプで、

詳しい者なら九段の名門『お嬢様』女子校・白菊女学院のものだと一目で判るだろう。

 

「おーい、待ったぞぉ」

 

彼、相馬将泰はポケットに手を突っ込んでいった。

 

「そっちが先に着すぎたのが悪いんやん」

と彼女はポニーテールをなびかせながら突っ込む。

もちろん、彼女は陰陽道の名門・斎王家の跡取娘、斎王麒麟である。

 

「なんでアンタに送ってもらわなあかんねん。別にクルマでもええんに」

「しかたないだろ、オレこれしか持ってねぇんだから」

とぶつくさ言いながら、ヘルメットを渡す。

 

「あーあ、キャップが明日っから送り迎えがつく言うてたから

直々にキャップのレクサスの助手席で送ってもらえる!思たらなぁ・・・」

 

じと目で格落ちの専属運転手を見やる。

 

「こっちだってわざわざ遠回りしてここまで来てやってんだぞ。文句言うな」

「あたしは頼んだ覚えなんてありませんー」

 

あくまで強気だ。

 

「だいたいお前キャップキャップって、あんな中年男のどこがいいんだよ」

「えー、かっこええやん、ダンディやし」

 

確かに見た目はダンディなミドルエイジだ。

40過ぎだが中年男性に付きものの衰えといったものは見えなく、

逆に若い者が逆立ちしても勝てない年相応の落ち着きというものを醸し出している。

長身にダークスーツを嫌味なく着こなし、

涼しげなポーカーフェイス・アイにアルカイックスマイルを思わせる余裕ある笑みを浮かべる。

それは雑誌や映画の中にしかいない理想の『オヤジ』のまさに具現化であり、

世の日本人中年男性のだらしなさを一人で挽回しているともいえる。

しかし、一皮剥けばボンクラ・呆け茄子・役立たずの三拍子揃ったお飾り室長、

腐れ陰陽師であるのは言うまでもない。

 

「そぉか?」

「ええわぁ、渋い中年って」

 

こりゃダメだ。心酔しきってる。聞く耳持たない。

 

「おい行くぞ。あ、それ大きすぎるかもしれないからあごひもキッチリ締めろよ」

 

麒麟はヘルメットをかぶると、慣れない様子でスクーターの後部座席にまたがる。

 

「今度ちょうどいいの買いに行くからな」

「それってずっとアンタのバイクで学校行くゆうこと?」

「そーだ。しっかりつかまってろよ、と言いたいとこだが振り落とされてもいいんなら別にかまわねぇぞ」

 

ぶぅたれながら背中のメッセンジャーバッグにしがみつく。彼女なりの妥協の成果だろう。

 

「んじゃ行くぞ」

 

寒いながらもエンジンは一発でかかった。

白く煙る排気ガスを吐きながらスクーターは二人を乗せマンションの前を走り去った。

 

「レクサスがよかったなぁ」

「・・・・・」

 

 

そこは敷地内の他の建物と違い、とても簡素なものだった。

壁は外壁そのままのコンクリート打ちっ放し、見上げれば鉄骨の向こうに波型の天井が見えた。

その簡素さは有働が仮設かと思ったほどだ。そしてその天井の下に、金属のレールが縦横に横切っている。

 

「有働警視、こっちですよ」

 

ありさの声のする方には、カバーのかかった何やら大きなものがあった。

じゃあん、とカバーをはがす。

そこには粗末なハンガーに不似合いな、ぴかぴかに磨き上げられた大型パワードスーツ

警察用タイタナイト『プロミシュース』があった。

装甲の強化プラスチックは機動隊カラーともいうべき濃紺に輝き、

うずくまった姿勢ながらもその無骨なフォルムは力強さを感じさせた。

 

思わず触れてみる。手のひらには拒絶するような冷たさが感じられた。

その感覚に覚えがある。そうだ。穂積管理官とのあの握手だ。

確かに彼女の雰囲気からは冷たく鋭い、どこか金属的なものが感じられたのは事実だった。

しかし、彼女の手は女性らしい、柔らかで暖かなものだったはずだ。

釈然としないまま彼は装甲に映りこんだ己の姿を見つめた。

次の瞬間、磨き上げられた装甲の上に立った一ヶ所、曇りがあるのを見つけた。

それは有働がつけた手形だった。触れなきゃよかった、そう思った。

触れてはいけない、タイタナイトにも、彼女にも、こんな手では。彼はしばし自分の手を見つめていた。

 

「動かしてみます?」

 

ありさの声が彼を現実に引き戻した。

 

「え、動かすって?」

 

声がひっくり返った。振り向くと、ありさが驚いたような顔をしていた。

 

「あ・・・プロミシュース、です」

 

そう言うと彼女はそそくさとハッチに乗り込んだ。

 

ハッチといってもロボットアニメの操縦席のようなものではない。

ただシート――そう呼ぶのもおこがましいような座り心地の悪そうなもの――と

その横のおそらく手と足のスペースに、何やら口をあけた機械仕掛けの手枷、足枷(てかせ、あしかせ)

そして頭の部分に内蔵型のヘルメットがあるだけだ。

ありさが枷の中に手足を収めると、センサーが稼動してゆっくりと閉まる。

 

「ほんとは正面ハッチを閉めるんですけど、別に立ったりしないんでそのままにしておきますね」

「いいんですか?隊長のお許しが出たからって勝手に動かして」

「え、どういうこと?」

 

すでに彼女の顔の上半分は、ヘルメットに覆われてしまっていた。

 

「だから、持ち主にはちゃんと断ったかっていう・・・」

 

すると彼女の顔のあらわになっている下半分が、けたたましい声で笑い出した。

その意味が分からず呆然とする有働。

 

「だーいじょうぶ。ウチは愛機ってのが決まってないんです。

全機ハードとしてはイコールコンディションで調整されていて、

その上でソフトはそれぞれの隊員に合わせて調整してあって

ログインすることによってどのハードでも慣れ親しんだ愛機として操縦できるんです」

 

つまりウィンドウズ・プロフェッショナル型システムになっているわけだ。

そう言っている間にヘルメット内の網膜投影装置がありさの虹彩をスキャンし、

彼女用の設定をロードしていた。

 

「じゃあ、動かしてみますね」

 

そう言うと、全長1.3mはあろうかという機械の腕がゆっくりと上がった。

それと同時に手枷にはめられたありさの腕が上がる。

いや、その逆だ。ありさの腕の動きにあわせて機械の腕が寸分違わぬ動きで応えたのだ。

もっとも、彼女の腕の肘から先はパフスリーブ状のプロミシュースの肩の中に収められていて

有働からは見えないが。

 

「それじゃ、じゃんけんいきまーす。最初はグー、じゃんけん――」

 

突然のじゃんけん勝負で、有働はつい反射的にパーのまま出してしまった。

すると、機械の手が出してきたのは、人間でも手がかじかんでいると出すのが困難なチョキではないか。

彼はプロミシュースの腕の精巧さに対する感動と

機械ごときに負けたというやり場のない屈辱にごっちゃになりながら、

ハッチの中にまるで機械の一部のように納まっているありさを見つめていた。

 

「こんなの簡単ですよぉ。こっちがちゃんとチョキの手をすればプロミシュースもちゃんとチョキしますから」

 

いわゆるモーション・トレーシング・システムをタイタナイト全般は操縦システムとして採用していた。

この種の機構は搭乗型ロボットの開発当初から研究されていた。

というのも、搭乗者の動きを寸分違わずトレースすることによって、

たとえば二足歩行のような、人間にとっては簡単でも機械には難しい動作を

それ専用のプログラムなくこなすことができるのだ。

それに、インターフェイスという点においても、まだ動作の統合プログラムが存在する以前においては

いちいちレバーなどで各部の微細な調節をするよりも、単純な操作でより複雑な動作が可能だった。

しかし、動作解析が進んだ結果操作のオートマティック化が進み、

またロボットの形状に対しても実験段階の頃のような人間型に対するこだわりが薄れた現在でも

操縦システムをその四肢にまで組み込むことができるコンパクトさや、

格闘用ロボットとして標準以上のボディコントロールが必要なことから

プロミシュースをはじめとするタイタナイトには

今もこのもっとも単純にして繊細な操縦システムが搭載されていた。

もっとも、この最新鋭警察用タイタナイトのモーション・トレーサーは初期のものと比べて雲泥の差である。

 

「プロミシュースでは人間の無意識的な動き、たとえば歩いているときや走ってるときの腕の動きなんかは

主動作に追随してトレースをオフにしてても動いてくれます。

だから移動中にタッチパネルでの微細な調整もできるんですよ。

あと、格闘用プログラムはプレインストール済みですから動作の発端、

背負い投げでは相手をつかんだら後はプログラムが勝手に投げてくれるんです」

「へーえ」

 

文系の有働にとってはテクニカルターム交じりの説明はときに意味不明になるが、

それでもありさの口調からはこのタイタナイトの持つ能力に対する自負というのがありありとあふれていた。

 

「あと操縦中の単純な調整だったらボイスコマンドのウィザード形式でやってくれますし、

これはもうロボットというよりも体の延長って感じですね」

「見てみたいなぁ、ありささ――宇賀神巡査部長の雄姿を」

 

すると宇賀神ありさ巡査部長は照れたような笑みを浮かべて言った。

 

「あたしはアカウントは持ってますけど、実は搭乗隊員じゃないんですよ。

あたしは第2小隊のオペレーター、つまり指揮車両に乗って

各機に必要な情報をコントロールするのが仕事なんです」

 

そう言って彼女は枷を解放し、するするとコクピットから下りてきた。

 

「だから他の隊員の人なんかすごいですよぉ。みんな機動隊上がりの猛者ですから

格闘術なんかお手のもんですし、さっきの但馬隊長なんか元SATですからね。

あとは各機動隊の精鋭ぞろいの装甲部隊だったり」

 

すると有働の脳裏にさっきの模擬戦の様子がはっきりと浮かび上がった。

と同時にひ弱な自分がこのフィジカル・エリートぞろいの隊でバカにされずにやっていけるのか

少々不安に思い始めていた。

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Afterword

 

D×B