ビギナー向け

ごとしの用語の基礎知識

―店主がごとしのを好きな理由―

 

ども、店主の蛟 游茗です。

一応当店“Hard-Luck cafe”はオリジナルメインの文芸カフェ(笑)

ということで営業しておりますが、

店主の怠慢かどうなのかは知らず、現在『機動警察パトレイバー』

特に『ごとしの』と呼ばれるジャンルに特化してしまっている状況。

そこで、パトレイバーを知らないお客様が敬遠されてるんじゃ

ということで、このたびこの場をお借りして

「『ごとしの』とは何ぞや」ということをレクチャーしていきたいと

思います。

まず、『ごとしの』の定義ですが、

一言でいうと『後藤喜一×南雲しのぶ』という

カップリングを表す言葉の略です。

さらに縮めると『ごし』(笑)

と言われても、そもそもこのご両人を知らないと

話になりませんので、

 

 それではまずはキャラクター紹介から・・・

 

後藤喜一

声:大林隆介(現:隆之介)

警視庁特車2課第2小隊長(警部補)

1960年(マイ設定)、東京都入谷生まれ

『昼行灯』の異名を取る競馬好きで水虫もちのの中年オヤジ、と思いきや公安時代は『カミソリ』と呼ばれた切れ者。特車2課に『島流し』となった現在でも、時折その切れ味を発揮している。ちなみに妻と死別したという過去がある。

 

南雲しのぶ

声:榊原良子

警視庁特車2課第1小隊長(警部補)

1969年(マイ設定)、東京都成城生まれ

エリートぞろいの第1小隊を率いる警視庁きっての才媛、ながらも『不適切な関係』がもとで特車2課に飛ばされたという過去の持ち主。(劇場版2ではそのかつての恋人と後藤との間で岐路に立たされることに)日ごろ後藤に対してはそのヘビースモーカーぶりから仕事でババを引かされまくってることまで決してよく思ってはいないようだが・・・?

 

この、冴えない中年オヤジとお嬢様育ちのキャリアウーマンという

一見水と油のこの二人、相性は最悪・・・

と思いきや、これが結構いい感じ。

この二人の『擬似夫婦』ぶりが

ごとしのの1番の魅力ではないでしょうか。

 

 名場面で振り返る、二人の愛の(?)軌跡

 

では、その魅力を数々の名場面とともに見ていきましょう!

 

基本は、

 

後藤 「欲しい?」

しのぶ「・・・欲しいわ」

後藤 「あげない」

(旧OVA第1話『特車2課出動せよ』etc)

 

これを聞いて「この二人、一体どぉゆう関係?」とか思った人は

ごとしのスキーの資格アリ。

 

TV版第9話『栄光の97式改』は

しのぶさんファンの先輩諸姉が挙げてらっしゃるように

普段は後藤さんの絡みでしか出てこないしのぶさんが主演級。

今まで旧式機でがんばってきた第1小隊に新型が入ることに。

しかしその裏にはなにやらキナ臭い事情があって・・・。

ということでその裏を探る後藤隊長なんですが、

そのパシリをつとめてた遊馬が

思わずしのぶさんの前でバラしそうに・・・

そこで遊馬の口をふさいどく後藤さん。

だって、しのぶさんを心配させたくないじゃない、ねぇ。

 

あと、ごとしのというわけではないんですが

後藤さんフェチゆーめい的にオススメなのが

TV版第17話『目標は後藤隊長』。

いつもはあまり巻戻してリプレイしない店主が

何度も後藤さんの雄姿をリピートしてしまったという

隊長の魅力満載の一話です。

ここのどこがごとしのかというと、

謎のレイバーXが特車2課を襲撃したとき

それに真ん前から立ち向かう後藤さんを見ての

しのぶさんの心配っぷり!

これは絶対、後藤さんの身に危険が迫って

日頃は押し隠していた想いに気付いたとしか思えません!

え、かなりこじつけ?

 

とか言いつつ「二人はデキてる」ってのが前提なのが

新OVA15話の『星からきた女』。

これが全編ウルトラマンのパロディなんですが

ってゆーかまんまごとしの!

整備班長ならぬ榊参謀に「あいつにはあんたが必要なんだ」

なんて言われちゃうし。

といっても実は遊馬の夢オチなんですけどね。

 

そしてごとしの的にはずせないのが

新OVA12話『二人の軽井沢』。

かなり意味深な題名、

しかも二人がラブホに泊まってしまうというお話なんですが、

要は台風で行き場をなくして・・・ってこと。

結局手も足も出ないまま一夜を過ごしてしまうんだけど

それがこの二人らしいっていえばらしいんですけどね。

 

そして極めつけは『機動警察パトレイバー2 the Movie

これはごとしのにおいて『アフターP2』と呼ばれる

一大ジャンルを築いたほど。

世間的な評価としては、『押井監督の趣味を反映した戦争論』

なんですが、ごとしの的にはメロドラマでしょ。

横浜ベイブリッジにミサイルを撃ちこみ

東京を舞台に『幻の戦争』を演出して見せたのは

しのぶのかつての恋人、っつーか不倫相手。

それでしのぶは彼と後藤の間で揺れながらも、

その彼、柘植を逮捕しに埋立地へ向かう。

そのとき後藤さんのいったセリフ、

これがアニメ史、いや、日本映画史に燦然と残る名セリフ、

「おれ、待ってるからさ・・・」

そもそも「待つ」という行為は受動的であり

かくして女性的なものとされているが、

それを男性キャラに言わせてしまうあたり――。

え、でも結局後藤さんはしのぶさんに振られちゃうんでしょ?

ちっがーう!そんなこと言ってるやつは

 『ありえたはずの2002』

 『今年初めて、雪の降った夜』、

 『グリフォンの亡霊』、

その他アフターP2ネタ一式読んでこいってんだ!

(と思いっきり中指を立てる)

 

 店主が語る、ごとしのの魅力!

 

し、失礼をば。

どーもごとしののことになると見境がつかなくなって・・・。

それではそこまで見境をなくしてしまうごとしのの魅力とは

 

その1・友達(同僚)以上恋人未満のもどかしさ

昨今の惚れた腫れたの恋愛ドラマより

こういった関係の方がむしろ好き。

(ex.. 『踊る大捜査線』の青島×すみれ、とか)

なんか、些細な言葉やしぐさも

深読みさせる楽しみがあるじゃないですか。

その2・強い女×いざというとき強い男

わたくし、持論としましては

「男なんてのは普段は役に立たなくていい」んです。

昨今じゃ女性の方がよっぽどしっかりしてますから。

でも、女だけじゃどうにもならないときってのが

やっぱりあるんです。

そのときに使い物になるかどうか・・・が

男の価値じゃないでしょうか。

そういう点で後藤さんは及第点、いや100点満点ですね。

いつもは猫背でタバコをくわえながら

ポケットに両手突っ込んでうろうろしてる昼行灯が

時折見せるカミソリの鋭さ!

特にコミック版では、喫煙所でタバコ吸いながら

「みーんなそう言うんだよなー。肩身せまいよなあ」(すっぱー)

からいきなりシリアスに

「指揮とってみる?」ってなるところとか ※1

「考えなきゃならないことが山ほどあるんだ」のアップとか ※2

「時間が・・・経ちすぎたかな」と言う横顔とか ※3

ここぞ!というところのアップがたまらなくカッコいい!

あと、寝起きで前髪が下りてる後藤さんも! ※4

(「いつもは前髪上げてる男性が、たまたま下ろしてる姿」フェチ)

後半、『廃棄物13号』事件以降になると

ゆうき先生のペンもかなりこなれてきて、これがいーんですよ。

 

え、しのぶさんですか?

しのぶさんにはかなり熱心なファンの方が多くって

そういう先輩諸姉方のHP見てくれれば足りますが(っておい!)

しのぶさんの魅力については一言、

「凛々しいねぇ」 ※5

これに尽きてしまうんじゃないでしょうか。

もちろんどこか痛々しいまでの芯の強さとか

凛々しい女隊長振りの裏の、女性としての脆さとか

そういうのもひっくるめて、ですが。

 

そして、もともとオリジナル志向だった店主を

ファンフィクションに向かわしめたごとしの最大の魅力は

二人が背負ってしまったでしょう。

先輩方のごとしのファンフィクを読みながら

「こういう感じのオリジナルを書いてみたいなぁ」と思って

書いてみれば「ほとんどパクりやん」

それだけ、二人の設定というのが

物書きにとって魅力的なんです。

最近ではオリジナルでもどーしても

ごとしのっぽい中年カップルが出てきては

主人公の少年少女を喰ってます(笑)

ええ、もう自分の創作回路に住み着いて出て行きません、

この二人。

 

思えば自分が人生で一番どん底だったとき、

支えてくれたのがこの、ごとしのでした。

そして今ごとしののファンフィクション、そして

ごとしのテイストのオリジナルを書き続けることが

店主にとって、二人への一番の恩返しではないでしょうか。

 

 

ごとしのスキーに54の質問

 

 

coming out! 

 

※1 ワイド版第5巻・第11話『第3小隊の崩壊』

 

※2 ワイド版第9巻・第18話『崩壊』〈その1〉

 

※3 ワイド版第11巻・最終話『THE RIGHT STUFF』

 

※4 ワイド版第6巻・第13話『レイバーの憂鬱』

 

※5 ワイド版第2巻・第6話『VS』〈その1〉

 

thanks to damianさま(Route66)