prayer |
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新宿・花園神社。 新宿の総鎮守と謳われ、アパートから程近いここには毎年初詣に訪れており、あたしも幼いころ両親や兄に連れられて七五三のお参りに来たことがある。 そのあたしが今は我が子を連れて3歳のお祝いに来ているのだから、月日が経つのはあっという間なのかもしれない。 従兄の秀弥くんとは学年では1つしか違わないが生まれ年では2歳違いなので、兄一家の5歳のお祝いと一緒にすることになった。 「よかったわ、ひかりちゃんぴったりで」 そう冴子さんが声をかけた。 「唯香まではわたしたちもそれを着てたのよ。 とそっと耳打ちする。 こういうとき、いつも撩は姿を見せることはない。 「そういや、覚えてるか?」 不意にアニキが話しかけてきた。 「お前の七五三のこと。まあ、3歳のときのは覚えていないかもしれないけどな」 3つの頃はまだ母も存命で、病院から一時帰宅して一緒に収まった写真が残っている。そして7つのお祝いまでの間に母が死に、そして父も亡くなりあたしとアニキの二人だけになった。 「ごめんな、あの時はちゃんとした晴れ着を着せてやれなくて」 アニキが撮ったあたし一人の7歳の写真は、その年の入学式に着たワンピース姿だった。 「ううん、だってうちにはあのときそんなお金なんて無かったじゃない。 ふと手を引く我が子に視線を向ける。 「でもいいの、お祝いしてくれるっていう気持ちだけで充分」 あのときまだアニキはまだ15歳であたしを育てていくのでやっとだったから、七五三なんてすっぽかされても当然だった。でもアニキはあのときあたしの手を引いて連れてってくれた、ここに。七五三は子供の成長を祝うとともにこれからの健康と無事を祈るものだから。きっと今のあたしがあるのも、アニキのおかげ。 「ねえ、これからどうする?この後両親がレストラン予約してくれたんだけど、 アニキの視線の先には、鳥居の奥に真っ赤なクーパーが止まっていた。 「パパぁっ!」 ひかりはあたしの手を離れ、まるでシンデレラのように着物の裾をつかむと参道を走っていった。草履が片方どころか両方脱げて飛んでいくのも気にしない。そして鳥居のゴールまで駆け抜けると父親のもとへと飛び込んでいく。 「ひかりでも香と槇兄でも」とのことでしたので、いっそ両方やっちゃえ〜!と まとまりのない駄文になってしまいました、とほほ・・・。 でもHP見ながら、ひかりに似合いそうな祝い着を探すのは楽しかったです♪ これを着せてあげたい!という親バカ心【笑】が執筆のエネルギーになりましたし。 ということで浅葱さま、こんなんでよろしかったでしょうか? リクエストありがとうございました。これからも当店をごひいきにm(_ _)m
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