扇の要は渡さない

〜店主が巨人・小林誠司捕手を推さずにいられない理由〜


……ひっさびさのComing out!です【苦笑】
その間、巨人ファンというのは変わりませんでしたが、いわゆる『推し』の仁志敏久が移籍し【号泣】そのまま引退、店主は泣く泣くG党に残留し、一方チームはV3×2を成し遂げ――気がつけばゆるーく『箱推し』としてファンを続けていました。どのくらい緩かったかというと……仕事が多忙で野球どころではなかったというのもありましたが、TVのスポーツニュースや翌朝の新聞で勝敗をチェックして、ただ勝っただけで喜ぶような、「敢えて言うなら」巨人ファン、という体たらくまで成り下がってしまうほどに【冷汗】
でもそんなゆるゆるG党生活が一変したのが2017年。折しもWBC――ではなくて、その数ヶ月後。大会そのものは相変わらず仕事でリアタイできませんでしたが、そこでウチの捕手が攻守に大活躍していたことは聞いていました。その彼が、髪型は気合の坊主頭にもかかわらず、そのことによって全く損なわれないほどのイケメンであることも【笑】 けどペナントレースが始まるとその高評価も一変、打撃不振を叩かれ悪夢の13連敗の戦犯の一人と目され、同ポジションで強打の後輩が頭角を現せばそっちが「打てる捕手」と持て囃され……あれ、みんなどうしたの?と手のひら返しに箱推しながらも戸惑うばかり。挙句にその後輩の決勝打で勝てた試合――まーったく嬉しくない自分がそこにいました。そして、そのときに気づいたのです

「ああ、自分は巨人ファンなんじゃない。小林誠司ファンなんだ」

それからは今までのように漫然と野球を見ることは無くなりました。推しの打席にはたとえ2死走者なしでも心から念を送り、守備イニングもリードの見せ所!と息を呑みながら目を凝らし、スタメンマスクでなければ最初から見るのを放棄し【爆】途中出場と聞けば慌ててチェックし始める、というありさま【苦笑】特にこの人のファンやってると何かと気苦労も多くてメンタルも胃もやられますが、かといって好きになってしまったものはしょうがない【泣笑】 じゃあ、何がそんなに好きかというと――

その前に、ざっとプロフィールを。

小林 誠司(こばやし・せいじ)

 捕手#22 右投右打
 1989年6月7日生(双子座) O型
 身長:178cm 体重:86kg(1
 大阪府堺市出身
 広陵高(広島)―同志社大―日本生命 
   高3時、夏の甲子園で準V
 2014年ドラフト1位で入団
 通算成績(〜2018)(2
   打率.219(337/1541)
   14本塁打 134打点
   盗塁阻止率 .381
 推定年俸 1億円
 パペットキャラクターは『リスがコバ』

って、これだけじゃどんな選手か判らないですよね【苦笑】
じゃあ、どうすれば一番手っ取り早くその魅力を伝えられるかというと――この人の場合は応援歌、いわゆるヒッティングマーチの歌詞が極めて的確に特徴を掴んでいるのではないかとw
それでは、

     ♪ 今見せろ強肩を

はい来ました代名詞w 強肩捕手といえば小林誠司、小林誠司といえば強肩というくらいに切っても切れない最大の武器。かといってソフトバンク甲斐の『甲斐キャノン』のような二つ名があるわけではないですが(『誠司レーザー』なのか『コバズーカ』なのか呼ぶ方も試行錯誤;笑)そこはシンプルにTVの実況アナの言うとおり「小林の肩ァ!!」でいいでしょう♪ あえて言うなら『鬼肩』でもww
大事なのは名よりも実。遠投115メートル、二塁への送球1.9秒(3 という地肩の強さもさることながら、盗塁阻止動画で見ていて惚れ惚れするのがその制球力!二塁ベースから走路上やや手前ドンピシャに投げられた球は、カバーに入った野手がグラブを最短で下ろせば、ベースに着くより一瞬早く走者の脚にタッチできる絶好のポジション。一瞬一秒を争う攻防ではいかに動作のロスを減らせるかも大きいところ。その絶妙のコントロールも相まって、2019年は堂々の盗塁阻止率.4194) 両リーグ唯一の4割台&チーム史上最多の4年連続リーグトップ!! これはもはや『抑止力』=よほど自信が無ければ走ってこないレベル(でも刺されるけどw)投手にしてみれば、たとえランナーを出してしまってもこの鬼肩がついていれば打者との勝負に集中できる、それだけでも貢献は大でしょう。

     ♪ 扇の要

野球のグラウンドの形がちょうど扇形で、その「要」の位置がちょうどホームベース上であることから、キャッチャーの比喩として使われる言葉です。そして「要」が扇の骨の一本一本を束ねるように、捕手もまた「グラウンド上の監督」としてチームをまとめる役割を果たさなければならないポジションでもあります。
ここで言わなきゃならないのは、投手に対する「声掛け」でしょうね。その真骨頂が発揮されたのは2017WBCオーストラリア戦。ストレートの四球で1死満塁となった上カウント2ボールとなったとき、すかさずタイムを要求。ピンチを広げ呆然となったピッチャー岡田俊哉(中日)に対して「一番自信のある球をど真ん中に」と声をかけ、結果ダブルプレーという最高の形に持って行ったあのシーンは、打撃面での活躍に勝るとも劣らない大会中のベストプレーでした。
そして特に2019年はそれを再現するかのようなシーンを何度も見せてくれました。
試合中、捕手がマウンドに行けるのは9イニングで3回と限られているので、どこでその3枚しかないカードを切るかは捕手の腕の見せ所。些細なピンチで行ってしまえばあっという間に使い切ってしまうし、だからといって静観してたら手遅れになりかねない。その辺のぎりぎりのあわい、「これ以上傷口が開いたら……」というタイミングでパッと間を取り試合の流れを変えられたのも、その流れを冷静に読めていたからこそ
さらに、そこでかけた言葉の中身もまぁ痺れた!といっても自分から多くは語らない誠司さん、言葉をかけられた投手からの又聞きになりますが、血気に逸る投手を落ち着かせ、ピンチを招いた中継ぎには「皓太は一人じゃない」と男が聞いても惚れてまうやろな台詞で励ます、といった相手に対しての使い分けができているのも立派!【拍手】 これはさすがにエース・菅野智之のみならず、組んだ投手がことごとくお立ち台で「誠司(さん)のおかげ」と言うのも当然かとw

また、「扇の要」としての役割を果たしているのはホームを守っているときだけにとどまらない。
そんなことを感じさせたのがその前年でのある試合。ルーキーながら打力の光る大城卓三とスタメンを分け合うことが増えた2018年シーズン後半。その試合もベンチスタート、先発投手は誠司さんと組んで初完投を果たしていた今村信貴。でもその日は無念の降板でしたが、ベンチで悔しがるいまむーの隣に寄り添っている誠司さんの姿を目の当たりにして考えが変わりました。試合に出たり出られなかったりという状況を口惜しく感じていましたが、この人はたとえ出番は無くても、心はホームを守っているんだと、それが“正捕手”なんだと
特に2019年は試合終盤からマスクをかぶる『抑え捕手』的な運用も増えましたが、途中からでも試合の流れを渡さずにリードを守りきっていたのはさすが!だからこそシーズン、CSと『胴上げ捕手』の栄誉にも与れたわけです。

さらには生え抜き中堅として、チーム全体の『要』にならなければいけないお年頃。
目に見えてチームを引っ張るというキャラではないものの、そこでも絶妙のポジション取りをしていることは確か。エース菅野に信頼され、キャプテン・坂本勇人とはキャッチボールの相手を務めるなどと見込まれ、先代の正捕手・阿部慎之助からサシの自主トレで捕手としての教えを叩き込まれるなど良くも悪くも目を懸けられ、同い年の主砲・丸佳浩とも親しい間柄とチームの中枢にくい込む一方で、ベンチでは気がつけば若手の中にいたりするんですよね【笑】 2軍から選手が上がってくると、打撃練習などでその日のうちに声をかけたりしてて、気がつけばすっかり親しげな様子。その結果……出番の無い日の定位置はベンチ内の外野寄り端っこの入り口付近なのですが、そこに『93年組』をはじめとする若手がぎゅうぎゅう詰めw どんだけみんな誠司さんの傍にいたいんだよとww
まぁ、ウチの主力はキャップといいエースといい(菅野は面倒見のいい方だけど)「球界のスター」でもあるので、実績の無い若手には近寄りがたい存在かもしれない。その点、彼らと近しい位置にいるけど一方で叩かれがちでもある誠司さんは、若い子にとってハードルが低いんだろうな【苦笑】 だからこそ、チーム内の上下を繋ぐ役割を果たしているといえるし、それができるのはおそらく彼しかいないでしょう。
さて、誠司さんといえばズムサタ『プロ野球熱ケツ情報』ウォッチャーにはお馴染みの、イタズラ好きでもありますが、そのイタズラもまた格好のコミュニケーションツールになっているのではないかと【笑】
2018年前半はそのターゲットはもっぱら若き4番・岡本和真。とはいえ実はまだレギュラー定着自体が1年目でベンチ内での立ち位置に困ることもあったのでは。でも執拗なイタズラ攻撃のせいですっかり緊張がほぐれ――その成果は皆さまご存知のとおりw そしてシーズン後半ではターゲットは捕手の後輩・大城にチェンジ。そのタクゾー、マイクを向けられれば被害を訴えるものの……試合前とか二人でめちゃくちゃ楽しそうにしてるんですけど! そもそもこの二人は正捕手を争うライバル同士で、マスコミもやたらと煽ったりしてますが、ファンの間では『タクコバコバシロ』とすっかり仲良し先輩後輩コンビとして定着w その籠絡力たるや、ファンがメロメロになるのも当然でしょうね。

     ♪ 夢バットに託し

――うまく逃げたな、と思いました【苦笑】 これ、選手が打席に入ったときに歌うものだからバッティング全振りでいいわけですよ。でも捕手能力も同じくらいフィーチャーしてるのは……打てないからです【泣】
どのくらい打てないかというと、「小林誠司の打率」というのが、確率の低いことを表す喩えに使われるほどw
でも仕方ない、普通プロ入りするのはアマチュア時代クリーンアップを打ってた選手がほとんどでしょう、たとえ投手でも。けど誠司さんは広陵時代、9番が定位置【苦笑】 でもその彼の公式戦、最初で最後のホームランが高3の夏、甲子園出場を決める決勝弾。そう、この選手は滅多に打たないわりに大舞台は滅法強い【泣笑】
WBCでは打率.450(チーム内首位打者)1本塁打6打点で付いたあだ名が『SEKAI NO KOBAYASHI』w
シーズンでは一転して低打率に喘ぎ「世界にしか通用しない男」とも言われてしまいましたが、初出場でのオールスターで初打席の初球を千葉マリンのレフトスタンドに叩き込み「お祭り男」の異名を確固たるものにww
でもそう言われることにファンとしては心苦しいものがあるんですよ、もうちょっとコンスタントに打ちやがれと【涙】 大舞台といっても上記が総てではなかったし、そこで打てなきゃやっぱり叩かれるし――そんなわけで、2度の固め打ちはあったものの打つ方ではあまり良いとこ無いまま終わろうとしていた2019年シーズン、M2で迎えた2位DeNAとの直接対決。9回2死、マウンドには敵の守護神・山崎康晃。走者が2人出れば回ってくるというシチュエーションで本当に回ってきて【泣】当然得点圏なんですが、この試合既に捕手2人使い切ってて代打が出せない=誠司さんが打つしかない場面。そこでまさか、外角の変化球をライト前に流し打ちのタイムリーヒットで同点!!!! 延長で増田大輝の同点打が飛び出し、5年ぶりのリーグ優勝を決めたのは皆様ご存知のとおり【号泣】 そんな大一番の、しかも崖っぷちから1年分の凡打をチャラにしていいくらいの値千金の殊勲打を打った推しは、やっぱりそういう星のもとに生まれたんだと改めて思いました【苦笑】 でも来季はもう少しコンスタントに打ってねw

     ♪ 戦え小林

なぜ「戦え」なのか、「頑張れ」でも「働け」【泣】でもなく何故「戦え」なのか。それを実感した2019年だったような気がしますし、こんな歌詞がついてしまったから戦わざるをえないプロ野球人生になったのかなとすら思うことも【泣笑】 それくらいずっと戦い続けてきました。
毎年のように刺客を送られてきました。阿部師匠の一塁転向で正捕手の枠が空いたかに見えた2015年にはFAで相川亮二・現バッテリーコーチ、2017年は宇佐見真吾(現・日ハム)が台頭、2018年にはドラフトで岸田行倫大城の社会人捕手2枚獲り、そして2019年は再びFAで炭谷銀仁朗――と、ファンとしては毎オフ気が休まりませんでした。といっても何だかんだいって最終的には誠司さんが一番マスクをかぶっている、というのが毎年恒例ではありましたが【苦笑】
ただ、敵はチーム内だけじゃないんです。いったいどれだけマスコミに煮え湯を飲まされてきたことか!
特に週刊誌とタブロイド!! ちょっとでもやらかせば針小棒大に叩きまくり、正体不明の「関係者」のリークで火の無い所に煙を上げさせ、ライバルが活躍しようものなら余計な危機感を煽り立てる、もはや定期連載【笑】
ウェブだと「小林誠司」とタイトルにあるだけでPVが稼げるんだろうねぇ。なので紙や大手ウェブメディア上に残る小林誠司評はほぼディスりばかり、判りやすい活躍をすれば取り上げられるだろうけど、ファンやネット上の見巧者がうなる隠れた好プレーは埋没しがち……これは本人がマスコミ嫌いになるのも当然でしょう(現にトークショーは記者が入らないので記事にならない)
そして何より最大最強のラスボスは、先代正捕手の『師匠』阿部慎之助。原監督のみならず全G党が認める『巨人軍最強の捕手』。正捕手・4番・主将として2度のV3に貢献し、ラストイヤーの日本シリーズで本塁打をかっ飛ばし、レギュラーシーズン最終打席では敬遠までされた、コバ推しからしてみれば“化け物”ですよ(褒めてる) こんな、ただでさえ最強の「打てる捕手」の直後に正捕手を任されれば、どんなキャッチャーでも見劣りはするでしょうよ【泣】その上こっちは守備全振り型なんですから……
打てる捕手」というのは、一度味わったらもうそれ無しではいられない“麻薬”みたいなものかもしれない。
おかげで大城やかつての宇佐見などは「阿部二世」と余計な期待をかけられてきたんですから、大城は大城、宇佐見は宇佐見でしかないのに――でもそんな幻影に振り回されることなく、誠司さんには誠司さんにしかできない捕手道を切り開いていってほしいと願っています。そしていつか『巨人軍最強の守備型捕手』として小林誠司の名が挙がることを……


と、ここまで応援歌の歌詞に沿って誠司さんの特徴と魅力を紹介してきましたが、それ以外に特筆すべきは――やっぱりは外せませんかね【苦笑】
小林誠司の強肩と並ぶ代名詞、それが顔。イケメン、という言葉が安っぽく感じるような、今どき絶滅危惧種な華宵好みの【惚】凛とした端正な顔立ち。「野球選手にしては」という保留無しで、顔が命の俳優・モデルと勝負できるレベル。何しろ2017年シーズンほぼほぼ坊主で通しましたが(当時ファン1年目、はよ伸ばせと思っていた)それでも男前に変わりなかったのだから、純粋に顔の造作が良いということが立証できたかとw なのでもはや球場でユニフォームを着ていても「今度野球ネタで撮影する映画/ドラマの主演俳優」と言われても信じてしま――わないか、もう最近は。それくらいアスリートとしての体つきがここ数年(ようやく)できつつあるところ。なので、首から上はあの美貎で、下は均整のとれた実戦仕様のマッチョという取り合わせはむしろ二次元か!!に格上げですねww

そして捕手としての本業であるキャッチング、特にフレーミングブロッキングもまた一級品との評価は高いんです。
近年、捕手のスキルとして評価の高まっているフレーミングとは「ストライクゾーンとボールゾーンの間、ギリギリのコースに来たボールを、ミットを動かしたり、体を寄せたりすることで審判からストライクのコールを引き出す技術」とのこと(お股ニキ『セイバーメトリクスの落とし穴』p158)既にメジャーでは実測値による各捕手の指標が出ていますが、NPBのデータ解析を行うDELTA Inc.のアナリストも非公式ながら指標を算出、公開。それによれば12球団の正捕手の中で2年連続のNo. 1(5(6 また2019年の契約更改の際に盗塁阻止率・被企図率と並んでフレーミングの数値も加味した上で守備での貢献を評価したとありましたが、こちらでも12球団トップだったとか!(7(たぶん球団は実測データ持ってるはず)このスキルがあると当然カウントをよりバッテリー有利にしやすくなりますし、今後NPBでも指標としての重要度が増してくるかと。そうなればより誠司さんの評価も高まりますしね♪

ブロッキングは「ボールを後ろに逸らさない、弾くにしても前に落とす」ための技術で、俗にいう壁性能というやつ。これが無ければパスボールに直結するという点では、フレーミングよりは判りやすいはず。これについては数字もさることながら、挙げるべきは2019年の”エース代理”山口俊とのコンビネーションでしょう。山口の決め球は鋭く落ちるフォークボール、それでバッタバッタと空振りを量産する一方、ワンバンが抜ければバッテリーエラーを招きかねない両刃の剣。でも山口は「後ろにそらさないから安心して投げられた」(2019.12.10 TBS『あさチャン』より)と絶大な信頼をよせ、走者3塁=逸らせば即失点の場面でも恐れることなくフォークで三振を奪った場面を何度見てきたことか【感涙】
また、2018年までの守護神だったカミネロのダメダメだったときの荒れ球を、まるでゴールキーパーのように身を投げ出して捕球していたさまは忘れられません……
また、誠司さんのトレードマークとも言えるのがこのZETTのフラットタイプのプロテクター『小林誠司モデル』(正式名称です!)普通、キャッチャーのプロテクターは表面に凸状の衝撃吸収材のブロックがいくつもついているのですが、ごく稀にそのブロックの角に球が当たってしまうと横に逸らせてしまうという。なので、確実にボールを思いどおり前に落とすために「いっそのこと、フラットにしたほうがいいのではないか」(7と、当時まだ2年目を終えたばかりの捕手が前例のないアイディアを持ち込んだのも凄いが、それを聞き入れ実現したメーカーもエラい【拍手】 そしてこの若手捕手のアイディアから生まれたプロテクターをまず同じZETT製を使う他球団の捕手も使うようになり、さらには他メーカーも今では同じようなフラットタイプを次々に製品化するなど、キャッチャー防具の歴史を数十年ぶりに大きく変えつつあるという、そのきっかけという一点だけにおいても小林誠司は球史に名を刻んで然るべきではないでしょうか【笑】

このフレーミングとブロッキング、「捕手の守備能力」として一緒くたにして考えられがちですが必ずしもそうでなく、むしろ「あちらを立てればこちらが立たず」なものなのだとか。となると『肩・枠・壁』の三拍子を高いレベルで兼ね備えている誠司さんは、云わば打撃に喩えるなら「3割30本30盗塁」のトリプルスリー並みのハイスペックということか……誰だ、年俸貰い過ぎとかほざいてるやつは!?


そして、小林誠司を語る上で絶対に欠かせない人物が、同い年のジャイアンツのエース・菅野智之でしょうw
言わずと知れた日本球界最強ピッチャー、こちらも球威・球種・制球の三拍子揃った完全無欠の右腕で、一部G党からは『エース』と呼ばれるほど。そして我々コバファンと一部菅野ファンからはこうとも呼ばれています、『旦那様』と……バッテリーはしばしば「夫婦」に喩えられますが、それ以上に“夫婦”なのですよ『スガコバ』は【笑】
先述のとおりこのエース様、お立ち台に上れば必ずといっていいほど口にするのが「誠司のおかげ」。また、完投で欠かせない勝利の儀式といえば『ハグ 特に2018年は10完投でシーズン終盤は投げれば完封というような試合が続いていたのもあって……どんどんエスカレートしていったような(ノ∀\*)  他チームのバッテリーでも勝てばハグしてたりしますがもっとスカーンとしてるというか、スガコバはなんかこう親密というかしっとりというか――見てる目が腐ってるのもあるのかもしれませんが【冷汗】(I'm not 腐女子!)もはや「二人の世界」過ぎて内野陣が寄ってこないもの【笑】 自分たちだけで喜び合って、頃合見てバッテリーに近づいてくる感じでw ただ投げているときでさえエース様、幸福そうにサイン交換の間もニマニマしてるからなぁ……捕手は「女房役」とも言われますが、これはまさに『恋女房』。
それもそのはずというか、ズムサタウォッチャーなら知ってますからねぇあの二人の仲の良さをw 焼肉に行ったらエースが全部お肉を焼いてあげたり、誕生日に靴をプレゼントしようとロッカーにあるシューズのサイズ確認してたり、インタビュー訊かれたらどんな話題でもとりあえず“嫁”を引き合いに出してくれたり……ファンサービスもあるのかなとも思いますが、でも試合中にマウンドで見せるあの笑顔を見てると本当に好きなんだろうなと(どういう意味かはともかくw)
でも並んでみるとお似合い感はあるんですよね。186cm95kgのがっちり型の旦那と、178cmで野球選手としては細身で美人【笑】の嫁様と。
もちろんスガコバの魅力はそういった仲の良さだけじゃないんです。エースは投手の中では珍しく自分でもしっかり配球を考えるタイプ。だからこそバッテリーで欠かせないのが意見の摺り合わせ。意見が食い違った際にはしっかりと意見を交わして二人で納得できる答えを探し出す、試合を見直した後に翌日にも反省点をぶつけてみる、その積み重ねでお互いの考えが手にとるように判ってくるようになるのかもしれません。お立ち台でしょっちゅう「阿吽の呼吸で」なんて言っていますから♪
誠司さん自身も配球は捕手が主導権を握るというより投手の投げたい球を優先するタイプですし、エース以外の投手ともベンチに向かう道すがらやダッグアウトで話し込んでいる様子をしばしば目にしますが、こういう姿勢もスガコバで実績を積み上げていく中で培ってきたのかなと。
このバッテリー、エース様の愛が重い【笑】と少々心配になってしまいますが、嫁様にとっても旦那様の存在は違った意味で大きいと思いますよ。と、ここから先は推測も入りますが――エースからの絶大な信頼はもちろん判っている、だからこそそれに甘んじることなく、むしろ「エースの女房」に相応しい捕手になろうと攻守において努力を重ねてきた……きっと、ポジションは違えど彼の存在は追いつくべき大きな目標なんだろうなと、勝手に妄想しておりますがw


最後に、店主にとっての小林誠司最大の魅力にして美点は、どんな挫折や失敗も必ず糧にすること、なのです。経歴だけ見ればエリートコースを辿って来たように見えますが、その道のりは平坦なものではありませんでした。むしろ、やたらと失敗を書き立てられることで、そればかり印象に残った感すらあります。
例えばキャッチングを流してしまいマイコラスが声を荒らげたとき、また侍ジャパンの強化試合で千賀滉大(ソフトバンク)の『お化けフォーク』を逸らし続けた件。でも誠司さんはそのままで終わらなかった。その結果生まれたのが、惚れ惚れするようなビタ止めフレーミングであり、3塁走者をものともしない鉄壁のブロッキング
そして小林誠司・最大の挫折はおそらく高3の甲子園決勝、あの佐賀北との一戦――当時、やはり公立高OGとして佐賀北推しでしたが、まさか対戦相手に将来の推しがいるとは思いませんでした【苦笑】 野村祐輔(現・広島)とのバッテリー、まさかの満塁弾を浴びる前の四球で何で一呼吸置けなかったのか、という反省が今の絶妙の声掛け、何より投手を孤独にさせない姿勢に繋がっているのではないかと。
そう考えると、今でさえやたらと叩かれがちの誠司さん。その今叩かれている欠点すら不断の努力で乗り越えてくれるのではないかと期待してしまう自分がいます。この小林誠司という野球人がどれだけ大きく成長してくれるのか、あなたも楽しみになったんじゃないでしょうか?ならば一緒に見届けましょう。ようこそ、コバ沼へ……


Coming out!