突撃!ライヴレポ

〜TUBE Live Around Special 2012
“Keep on Smilin'”@東京国際フォーラム 1st day〜


このライヴに行くまで……正しくは今年のアルバムを聴くまで店主、ものすごく不安でした。
おととしの冬シングル『
空と海があるように』から始まったTUBEと自分とのズレは、昨年のアルバム“RE-CREATION”でさらに広がり、野外のグダグダの出来に半ば嫌気がつきかけました。来年のTUBEがこのままだったらファンを辞めてやると。
そして間の悪いことに店主、会社をクビになりました。こんなボロボロの状態なのにTUBEが寄り添ってくれないとなると、ファンを続けている意味はないんじゃないか。それでも期待せずにはいられませんでした。そりゃ最近のはあんまりだけど、昔の曲は何度も聴いているほどの名曲ぞろいだし、特に『
Keeping the Face』は最初の就活のときにさんざんお世話になった心の支えでした。
だから、ホールに行きたかったんです。野外ではなく。ホールツアーだったら過去の懐かしい曲も多く演ってくれるので、もしかしたら聴けるんじゃないかと、『
Keeping the Face』が。
なのに、幸いにも土曜日開催の国際フォーラム2日目が即日完売【泣】 金曜の初日となると会社勤めだったときは無理して定時退社でないと間に合いませんでしたが、失業中の身の上なら平日だろうがおかまいなし。浮草暮らしでもせめてこれくらいのメリットは享受しないとと、クビになって即チケットを取りました。

席は2階の22列40番。というか3階席じゃないのかというくらいの高さで思いっきり上から目線、メンバー豆粒【苦笑】 でもほぼ正面という点ではなかなかの席で、2週間前に取ったにしてはまぁまぁだったでしょうか。
客層は……平日、という点もあるのでしょうか、総じて高めな印象が。それは今回に始まったことではないですし、かくいう自分もいい齢ではありますが、TUBEファンとしては「親の影響で」というのを除けばまだ若手の部類に入るでしょうか。ただ、店主のTUBE離れの一因として「同世代のファンにしか目が向いてないんじゃないか」というのもあって、そんなわけで一抹の不安が。
だからというわけではないのですが、開演前のTUBEコールもノリは今一つ。いつもだったら率先してやりたい派の店主も、空気読んじゃって手拍子だけ。しかも開演前の注意事項のアナウンスでいよいよ!と思ったのに、それに水を差すようにボリュームの上がる音楽――あたしは今日は、ホールだけど完全燃焼したいのよ!との思いに早くも暗雲が。どうなる、東京国際フォーラム!

さて、ホールの1曲目は野外以上に読めません。野外だったら新曲か、いわゆる定番からある程度絞れますが、ホールとなると過去のアルバム30枚以上の中からどれが来てもおかしくないわけで、毎回「あーっ、これが来たかーっ!」と唸らせていただいてましたが、今年はなんと『
抱きしめてAgain』。実は店主が初めて買っ(てもらっ)たアルバム“浪漫の夏”の収録曲。それゆえもっとも聴いた曲の中の一つではありましたが、まさかこれが来るとは――TUBEとの関係をここしばらくいろいろ迷い続けていましたが、その原点を見つめさせてくれるようなセレクトでした。
でもこのとき聴いた『
抱きしめてAgain』は、今まで聴いたどの『抱きしめて〜』とは違っていました。ヲタ話で申し訳ないのですが、この曲はずっとCHの冴子姐さん、その前はパトのしのぶさんと重ね合わせていましたが、憧れてた夢を追いかけてなくしたものというフレーズを耳にした瞬間、これはもしかして自分のことじゃないかと初めて感じました。確かに店主もずっと憧れていた編集の仕事について、その仕事を続けるためになくしてしまったものもあるかもしれないし、誰かと、世間と自分を比べて足りないものにくよくよしてばかりでしたから。そして、そんな店主にもかつて“ときめき”というものを初めて与えてくれたのは――TUBEに決まってるじゃないですか。おもわず、これは今の店主にとっては、自分とTUBEとのラヴソングなのではと思ってしまいました。

しかも2曲目がまんまのタイトル『
Second Chance』。確かに今の自分はボロボロで、笑われてばかりの負けてばかりでしたが、キラキラ輝く涙がオレたちのメダルなんて言ってもらったら、もう頑張るしかないでしょう【泣】 そういや角野さんがRidersの会報(会場で再入会しました)で「“前向きに行こうよ!”といったテーマの歌詞を中心に」セットリストを組んだとありましたが、今の店主にとってはそれはまさに、自分のためにTUBEが歌ってくれてると思わせてくれるものでした。
冬の歌ですが今回選ばれた『
追伸』も店主にとって思い入れたっぷりの曲。初めて聴いたのは2007年のMeeting、そのときは将来の研究生活の見通しが立たず、人生にどん詰まってました。そんなとき、歌詞の一行一行が我がことのように胸に突き刺さってきました。でも今日もまだ何とか歩いてるから大丈夫という言葉に救われる思いさえしました。それだけで、まだ自分は壊れずにいられると。相変わらずまた人生どん詰まってますけど、あのときの自分を思い出させてもらった気がします。

アルバムからは『
泣いちゃえば』が登場。実は、行く途中に聴いていこうと思ったのにMP3プレイヤーに移し忘れるというアクシデントがあったのですが、これは初聴きのときから印象が強かったのでわりとついていけました。また、シングルのカップリングの『あずけてごらん』以来4人全員がヴォーカルをとった『明日は明日の・・・』も当然といえば当然のセットリスト入り、なんですが……すいません、豆粒過ぎて誰がどのパートか確認できませんでした【汗】 なのでアルバムの初回特典のDVDで確認してきました。メイキング映像の中でもこの曲は通しで入ってたのは、きっとそういう用途だったんだと思いますが、シングル発売時にレヴューができなかったのでちょっとだけ。あれ以来、リョージもカックンもヴォーカルデビューしてますので、19年前からどれだけ成長したのかというのもチェックポイントでしたが、実は一番歌が巧くなっていた(と思った)のはハルというオチ【笑】 『あずけてごらん』のときには朴訥とした感じだったのに……いったいどこで上達してきたのやら。

今回のアルバムはCDだけでなくアナログ盤もつくったとのこと from MC。といっても買ってもしょうがないんだよねぇ、プレイヤー持ってないし怖くて針落とせないし。ハルの言うようにポスター代わりに重宝するかもしれないけれど。そのボーナストラック(偶数曲じゃないと裏表にできないから)ということで、今回PDした武部聡志氏が27年前にアレンジした『
ベストセラー・サマー』のアコースティック・ヴァージョンを今回披露、ラッキーw いつの間にかステージの両側には半円状のドレープが3連ほど垂れ下がってて……照明の色も変わり、曲も流れるとちょっとムーディな雰囲気というか【笑】 アコースティックといっても素朴でナチュラルというのではなく、そういうオトナな感じというかなんというか。『ベストセラー・サマー』ってそういうアレンジ似合いますよね、元はロックだったのに。“TUBEst III”のときだってジャズ調のアレンジでしたし。でも8ビートの手拍子は正直、リズムがずれそうでひやひやでした。
そこからはシングル『
いつも、いつまでも』を含めて聴かせる曲が続いたので、すっかり2階席はほぼ着席。店主は、座席は荷物置きと割り切っているので極力立ってましたが、うーん、ファンの世代が世代だからしかたないのか……一方で、だからといって演ってる側、特に前田さんサイドとして楽な曲ばかりというわけではないんですけどね。『勇者達の挽歌』なんて噴水で水かぶってるんじゃないかというくらい熱唱してましたもの。決して、体力面やのどがどうのこうのという印象は受けませんでしたけどね。曲の前のMCでは、同い年の『40年会』の面々もほぼ引退してしまい、そんな彼らのために書いた曲とのこと。そのときふと思ったのは、この客席にいる人のほとんどがそういう、またはまだ現役でも大ベテランと呼ばれる選手と同世代なんだよなぁと。それにひきかえ店主の場合、まだまだバリバリの現役、それも中堅・主力ですからね。松坂世代だって1個上ですし。そんな一言でふと、忘れかけていたジェネレーションギャップを思い出されてしまいました。

そんなわけで、前田さん曰く
1時間くらい座りっぱなしだったんじゃないかと。もちろん、このまま終わってはTUBEのライヴではない!ここからは肩甲骨を苛め抜く時間、そしてみんな大好きなPPPH付き【笑】 ということで、『太陽のSurprise』に続いて『Lonely Revolution』!やってくれましたよ古い名曲!そのためにブクオフで旧譜サルベージしてるんですから。でも意外すぎて、イントロ半分までわかりませんでした【苦笑】 イントロドン失格です。逆に、最近の方がついていきづらいかも。野外終わっちゃうと聴かなくなっちゃいますし。
ここでメンバー紹介になり、まさか2曲で拳振り上げコーナー終わっちゃうか(もう齢だもんなぁ)と思いきや!これは絶対ミスらないイントロ、『
傷だらけのHero』!TUBEに応援ソング数あれど、これで奮い立たなかったら死んだも同じという究極の名曲!!もう、歌詞を一緒に歌いながら、半泣きになりながら腕突き上げてましたよ。さらに『You'll be tha Champion』で畳み掛け――ってことは、今年はこの2曲は野外では演らないのか?毎年花火噴射で盛り上がるのに……。
そして、まさかまさかの『
Keeping the Face』!!ネタバレで教えてくれなかった皆さまありがとう!『Lonely Revolution』演った時点で無いなと思ってたんですよ、“Remember Me”から2曲は来ないだろうと。でも、まるで店主が何度もこの曲が支えになった、ライヴで聴きたいと言っていたのをどこかで聞いてくれていたかとさえ感じました、この選曲は。
この曲はホント、2年前に大変お世話になりました。カーオーディオには“
Remember Me”がささりっぱなし、『Keeping the Face』になると一緒に歌ってました。30間近で職歴なし、しかもリーマンショックと思いっきりアゲンストの就活でしたが一つ嘘つくたび 一体いくつもの真実をなくせば気が済むの」「諦めなきゃ必ずNice Wave来るさそして君の代わりは誰にもできないからその言葉の一つ一つにそのたび勇気づけられました。その歌声を直接浴びて、「どんだけ店主を泣かせば気が済むんだ!」と涙と汗でボロボロになっていました。

ここでライヴ本編終了、もちろんその後にアンコールが待っているのですが、最近ではかつてのように熱心にTUBEコールをやらなくなっていたような気がします、自分。初めのうちはそれに参加できること自体が嬉しかったし、ちゃんと声出さないとアンコールが無いような気がして思いきり声を張り上げていましたが、自分以外にも声出してくれる人はいるし、それに自分がやらなくてもアンコールは必ずやると気づいてしまったというものあります。でも今回は違いました。ここまで自分のために歌ってくれたTUBEに対する誠意というのもありますし、それに“現役”世代としての意地ですから。それでも、2階席で他に声を出してくれていた方がいるから、店主も思いきり叫ぶことができました。その皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
アンコール1曲目は
もう6月になっちゃったけどTUBE初めての卒業ソング『あばよMy School Days』。これも店主にとってはサルベージの成果ではありますが、言うなれば会社を“卒業”したばかりの自分にとってはとてもタイムリーでした。そして別れの次には必ず出会いがあるということで『Say Hello』。これは実は、初めて借りたアルバムの1曲目でした。でも、ツアータイトルから『Smile』は演るとして、ミニアルバム表題曲は2つ演らないだろうと踏んでいたので嬉しいサプライズでした。この曲は個人的には毎年新学期のテーマなんですが、なかなかそのとおり実行できてないんですよねぇ。次の職場ではそれができるように頑張ります。
もちろん、今や定番の『
Smile』で再び拳を振り上げ――もうそのときにはかなり左肩は悲鳴を上げていましたが、それで手加減するようだったらライヴに来た意味がありません。ホールとはいえ、来たからには完全燃焼ですから。ラストはアルバムから『青の道標』。当日、家で聴いてきましたが、不覚にも泣きそうになりました。まさに今の自分に向かって歌ってくれた曲のようで。
この2年間、ずっと悩んできました。自分にはTUBEを愛する資格はあるのか。彼らに出逢ったその頃から夏の海とは全く縁がなく、胸を焦がすような恋も信じられる友もないまま過ごした青春の日々。一人きりで生きていこうともがき、むしろ人前では心の底から笑うこともできず、自分より大切な人など思い浮かばない――そんな自分にもTUBEは歌ってくれた、涙は無駄じゃないと。思いきり、というかかなり手荒にがつんと、背中を押してくれた。今日、ここで本当に今一番聴きたい曲を歌ってくれた。それだけでこの先頑張れそうな気がしました。そして、これからもTUBEについていこうと。この先一生――と決めてしまうにはまだ早すぎるので、
十年も先のこと わからないけど/いつの日か……


TUBE Live Around 2012“Keep on Smilin'”
@東京国際フォーラム 1st day セットリスト

1 抱きしめてAgain
2 Second Chance
3 Rock On The Way

4 泣いちゃえば

5 追伸

6 明日は明日の・・・

7 ベストセラー・サマー
8 シーズン・イン・ザ・サン

9 いつも、いつまでも
10 荒野へ

11 勇者達の挽歌

12 太陽のSurprise
13 Lonely Revolution
14 傷だらけのhero
15 You'll be the Champion

16 Keeping the Face

アンコール
17 あばよMy School Days
18 Say Hello

19 Smile

20 青の道標


Coming Out!